ととモノ。関連
December 29, 2024
この1年、随所のゲームメディアに書いた記事を振り返る
その後は成り行きで専業ゲームライター
(午前中はGame*Spark様のニュースを書き、
その他の時間はさまざまなゲームをプレイしつつ、
ゲームメディア向けにいろんな原稿を書く)という状態になった筆者。
そんな筆者が今年書いてきたメディア記事のうち、
印象深かったものをピックアップしていきます。
まずはGame*Spark様に投稿した『Balatro』プレイレポ。
実は同作、当blogでも体験版の頃から取り上げており、
このゲームが2024年のインディーゲームを
代表する存在になったことについて、今後後方彼氏面していこうかと思います。
続いてこちらもGame*Spark様に掲載された、
『剣と魔法と学園モノ。』リマスター2作のプレイレポート。

PSP版の発売当時、当blogで『ととモノ。』をこき下ろしていた人間が、
こうしてメディアでリマスター版のプレイレポートを書くことになるんですから、
世の中ってわからないものですよね。
引き続いてGame*Spark様の『エルミナージュ』特集。
この作品は今遊んでも「奇跡」だと思うんです。
その他、この記事にかけた思いは、
当blogの関連記事も読んでもらえると嬉しいのです。
「ローグライク」の記事についてもGame*Spark様で書きました。
本来はRedditまとめの軽い記事を編集者の方は想定していたと思うんですが、
筆者が無駄に持てる知識をフル投入した結果、「特集記事」扱いとなりました。
この「ローグライク」特集の評判が良かったのか、
「げむすぱローグライク・ローグライト部」という週刊連載を
任せて頂けることとなりました。
ありがたい事でございます。
ただ、割と毎回ネタ出しに苦労しつつ、
ボリュームを抑えようとしているのに文字数は増えていく一方で、
世の中の「週刊連載」を抱えている人たちは凄いなあ……と、
一方的な尊敬の念を抱いている次第であります。
「中華実写ゲー特集」という変な記事もやりました。
とは言え昨今の実写ギャルゲーのクオリティは跳ね上がっており、
ポテンシャルが侮れないジャンルとなっているのが現実です。
なお、「あなたの知らないゲームの世界」第2回の予定はおそらく永遠に未定です。
こちらはGame*Spark編集部から依頼があって書いた、
日本語版『ウィザードリィBCF〜8』の紹介・導入記事。
ロケハンに取れる時間がなくて、序盤しか紹介できなかったのが
自分でも残念なんですが、後期Wizも面白いんですよ……とは
主張し続けたいのであります。
Q.『ウィザードリィ ヴァリアンツ ダフネ』にはどれだけ罠があるの?
— AUTOMATON(オートマトン) (@AUTOMATONJapan) September 27, 2024
A. いつでもどこでも状態異常
基本無料ダンジョンRPG『ウィザードリィ ヴァリアンツ ダフネ』は、多彩な罠や状態異常に満ちている。簡単には生きて帰れない、じわじわ系“死にゲー” pic.twitter.com/WWdPNBqSs5
『Wizardry Variants Daphne』(以下、『ウィズダフネ』)絡みでは
AUTOMATON様からご依頼を頂き、宣伝動画の構成・素材動画の撮影……
といった作業をやらせて頂きました。
(ただ、筆者は完成した動画は頂いたものの、
実際に広告として流れていたのを見た機会がない……
結構流れていたらしい、という話は聞くのですが)
AUTOMATON様の方では『ウィズダフネ』の紹介記事も書きました。
一見古参へのアピールに見せつつ、
「新たなウィザードリィの世界が広がっているよ!」
という事を伝えたかったのですが……
正式サービス開始後の(ある意味盛り上がりすぎて)
いろんな阿鼻叫喚が起こったのはいい思い出……かもしれません
(自分も操作不能にハマったよ!なお現在は復旧)。
Game*Spark様からの仕事の依頼で印象深かったのは、
インタビューの文字起こし作業。
『トリガーハート エグゼリカ』も『ウィズダフネ』も大好きなので、
喜んで文字起こしを引き受けたわけですが……
文字起こしという作業は想像以上に大変でした。
何度も録音を聞きつつ、それをわかりやすい日本語にまとめていき、
場合によっては意味が通りやすいように順番を並べ替えたりと、
編集も加えていく地道な作業。
筆者は一旦録音をYouTubeに非公開でアップロードして
字幕を自動生成し、その字幕ファイルをダウンロード、
字幕ファイルの内容を自動整形するバッチコードを自前で書いて、
これで楽に文字起こしができる……とは思っていたのですが
(もちろん1度アップした動画は削除しましたよ)、
自動生成される字幕の内容は誤字や聞き取り違いも結構多く、
結果として何度も録音を聞きながら、
字幕を基に文字起こしを作成することになりました
(とは言え、字幕ファイルがあるとないでは
文字起こしの難易度が違うとも感じましたが)。
筆者のポーカーの腕を買われて(?)Game*Spark様で
『オールインアビス イカサマサバキ』デモ版の
プレイレポを書くことにもなりました。
この記事についてはここぞと筆者のポーカー愛を
随所に盛り込んだのですが、
コメント欄で「記事の出来を称賛したくなる」と言われて嬉しかったですね。
「コンピューターRPGの難易度とは、
いったいどういうものなのか……というコラムを書けませんか?」
とGame*Sparkの編集者様に依頼されて書いたのがこの記事です。
個人的にもえらい難産で何度も締め切りをリスケしてもらったのですが
(編集者様すみません)、
その甲斐あって黎明期から現在までの「CRPGの難易度の変遷」について、
包括出来た記事になったかなあ……と思います。
なお、記事中で触れているDQ3HD-2Dリメイクに関してですが……
筆者からは、このゲームについては「ノーコメント」とさせて頂きたいと思います
(まだクリアしてないのと、他のゲームを進めたいという思いの方が強くなった)。
こうして約1年の間、さまざまな記事に携わらせてくださった
各種メディアの関係者様にはただただ感謝しかありません。
改めて、ありがとうございました。
でもまだ終わってない記事とかあるんだよね、んふふふふふ(笑)
April 28, 2024
Game*Spark様で『ととモノ。1AE/2GRE』のプレイレポートが掲載されました

『剣と魔法と学園モノ。Anniversary Edition』、
および『剣と魔法と学園モノ。2G Remaster Edition』の
プレイレポート記事がGame*Spark様に掲載されました。
(ありがちなプレイレポートのように序盤だけ触って……ではなく、
両作ともエンディングまで到達してのプレイレポートですよ!)
4月の上旬からアクワイア様から提供されたβテストコードで
ゲームプレイを続けていて、結構頑張った成果が上記の記事になります。
しかしゲームメディア経由とは言え、
当blogで散々disってきたタイトルのプレイレポートを
手がけることになるとは思わなかったよ!!(アピール)
……とは言え、記事の方では余計な情報を省き、
「序盤〜中盤は厳しいが、それを乗り越えさえすれば
ハックアンドスラッシュが思う存分楽しめる」
という同作の根本的な魅力をアピールすることができたと思うので、
個人的には満足がいっています。
でも、上記の記事を読んだ方には、
その「余計な部分が気になる」方もいることは重々承知ですし、
「もしかしたらメーカーに対する忖度なんじゃないか?」
そう思われる方もいるとは思います。
という事でX(Twitter)上では言ったけれども、
改めて明言しておきますが、
今回のプレイレポート記事に、メーカーに対する忖度は一切ありません。
というかね、忖度するんだったら1も2も序盤のゲームバランスに難がある……
という事を記事の中で延々とねちねちと引っ張りませんよ(笑)
それでも「同作の権利関係は怪しいんじゃないの?」と思っておられる方へ。
とりあえず、拙blogのこの記事をお読みください。
なお筆者は複数の情報筋から上記事で挙げた"何らかの理由"を聞いてはいますが、
「え?そんな事だったんですか!?」とちょっと拍子抜けしたことを明記しておきます。
但し、あくまで筆者の知ることは「伝聞」でしかないので、
当blogでその詳細を公開することはありません。
誰にも迷惑のかからないような形で、メーカー側から
昔話として公開されるのが一番良いと思うんですが……難しいかな(笑)
何はともあれ、『ととモノ。』シリーズの誕生から15年が経つわけで、
そろそろシリーズに関しての疑念は払しょくされてよいんじゃないか。
そう、筆者は願っています。
(さんざん疑念を煽ってきた筆者が言う事ではないが)
April 07, 2024
『剣と魔法と学園モノ。』1と2リマスターが出るというお話
『剣と魔法と学園モノ。』リマスター発売決定の情報を
商業メディアで書くことになるとは思わなかった
今では反省していない
と筆者は供述しています。
『剣と魔法と学園モノ。2』のリマスターの
初報が出たのが2022年6月なので、
結構な時間がかかりましたね。
リマスター発売決定の記事を書いた段階では
日本語に対応していなかったSteamストアページも、
いつの間にか日本語対応してました。
『ととモノ。』シリーズと言えば、
当blogがDRPG中心に転ずるに至るきっかけとなった
因縁のあるタイトル。
Switchで2018年に出た『ととモノ。1 Anniversary Edition』の方は
既に遊んでいまして、当blogでも感想を書いています。

『ととモノ。2G Remaster Edition』の方も、
そのうちプレイ感想を書くとは思いますが
(どこの媒体でプレイ感想を書くのかはわからないけれど)、
何はともあれ、久しぶりの『ととモノ。』のプレイを
今から楽しみにしている筆者なのでした。
『剣と魔法と学園クエスト。』?知らない子ですね……
(DRPGでもないし)
(昔だったら「粗を探す」プレイに突き進んでただろうけど、
現在は「楽しむ」プレイの方向性を取ろうと路線変更しています。
これは嘘じゃない本当のアイ(やめろ歌詞の引用は))
June 05, 2022
『ととモノ。』新作とリマスター&『残月の鎖宮』が発表されたアクワイアDRPG新作情報
2022/6/5に、アクワイアの新作情報を発表するライブ配信が行われてました。
その中でDRPGに関連する情報があったので、ピックアップしてご紹介。
【完全新作!】
— アクワイア (@acquire_pr) June 5, 2022
剣と魔法と学園クエスト。
「剣と魔法と学園」世界から本格ストラテジーRPG登場!
発売日:2022年9月8日
6月6日から予約受付開始!
対応機種:Switch/PS4/Steam
公式サイト&Steamページ公開!
公式サイト: https://t.co/WMQJRMoB5G
Steam: https://t.co/V5KHmBOSn7#ととクエ
まずは『剣と魔法と学園モノ。』シリーズ最新作となる、
『剣と魔法と学園クエスト。』
今までのシリーズの多くはDRPG形式でしたが、
今作はそれとは異なり、キャラクターの目的地だけを設定して
進軍しつつ仲間を召喚していくような、
タワーディフェンスとストラテジーを合わせたゲームになるようです。
シリーズ初となる明確な主人公が設定されているほか、
主人公を守る冒険者として細かなキャラクターメイキングが可能な模様。
DRPGではないのですが、一応シリーズ最新作としてご紹介。
Steamストアページも既にあって、仕事が早い。
【新発表!】
— アクワイア (@acquire_pr) June 5, 2022
剣と魔法と学園モノ。2 リマスター決定!
かわいい生徒をキャラメイク!
あなただけのパーティーで、凶悪な3Dダンジョンを冒険だ!
前作の好評を受け、「2」の復活も決定しました。みなさまの応援のおかげです!
続報をお待ちください!#ととモノ pic.twitter.com/GEKzrAgZtm
また、『剣と魔法と学園モノ。2』がリマスターされることも発表されました。
「凶悪なダンジョン」とわざわざツイートに含むあたり、自覚はあるんですね!(笑)
こちらは配信中ではPS4/Switchで配信予定という事でしたが、
先述の『剣と魔法と学園クエスト。』のSteamストアページに
「シリーズ:剣と魔法と学園モノ。(Class of Heroes)」という項目があるあたり、
Steamでも配信される可能性が非常に高いのでは……と個人的には睨んでたり。
【発売日決定!】
— アクワイア (@acquire_pr) June 5, 2022
残月の鎖宮
「滅びの墨」に侵された、水墨画の世界を踏破せよ!
ハクスラの原点に挑戦する、和風3DダンジョンRPG、発売日決定です!
発売日:2022年9月29日
6月20日より予約受付開始!
対応機種:Switch/PS4/Steam#残月の鎖宮 pic.twitter.com/Lx6Bg1PWMx
また、2021年1月に発表されたものの、
それから全く続報がなかった『残月の鎖宮』についても、
2022/9/29に配信予定という発表が行われました。
配信中ではプレイ動画の紹介もあったのですが、
「6人パーティ」「複数回ヒットする通常攻撃」
「呪文が複数レベルに分けられた回数制」「戦闘後の宝箱の鍵・罠解除」
「未識別アイテム」など、
「システム的には完全に旧作ウィザードリィだコレ!」と思わせるような、
そんなゲームに仕上がってるようです。
配信時のコメントなどで気にされている方がいらっしゃったので補足を・・・
— 🐸(株)カエルパンダ公式🐼Official KaeruPanda Inc. (@KaeruPanda_Inc) June 5, 2022
・キャラメイク可能(デフォルトキャラは「せんし1」的なもの)
・FC版ウィズをリファレンスとしたテンポ感(高速モードもあり)
・操作インターフェースは現代のもの
・ロストあり#残月の鎖宮 https://t.co/tGxOGyHHSs
開発を手掛けるカエルパンダの公式ツイートを見ても、
FC版ウィザードリィを強く意識してるのは間違いなさそう。
何はともあれ、今後のアクワイアのDRPGの展開が楽しみです。
May 20, 2018
「『剣と魔法と学園モノ。』はウィザードリィの権利を取っている」という話についてアレコレ
裏って程でも無いんだけども、開発小話。
— アクワイア (@acquire_pr) 2018年5月16日
「ウィザードリィの権利はとれているけど、この種族名はNGだった。」という事が…
うん、マスター直前に判明したので、”クラッズ”はかなり慌ててつけた名前。
アクワイア社の広報Twitterアカウントで、
「(『剣と魔法と学園モノ。』について)ウィザードリィの権利は取れている」
という旨の発言がありました。
当blogでは度々、
「『剣と魔法と学園モノ。』は『ウィザードリィエクス2』の剽窃である」
という主張を行っているのですが(当blog過去記事)、
一見するとこの主張と今回のアクワイア社の見解は食い違うように見えます。
そのあたりについて、改めて詳しく解説してみようと思った次第です。
まずは「ウィザードリィの権利は取れている」という、
アクワイア社広報アカウントの発言について。
改めてウィザードリィの権利について整理してみますと、
2006年にウィザードリィの原作シリーズを手掛けたSir-tech社から、
日本の企業であるアエリアIPM社に
ウィザードリィ6(BCF)以降の各種権利および全世界での商標権が譲渡されました。
参考リンク:
4Gamer.net "アエリアIPM,「Wizardry」の全世界における商標権などを獲得"
このアエリアIPM社はかつて存在したアエリアグループの1社であり、
また2011年まではアクワイア社もアエリアグループ傘下でした。
2008年当時アクワイアはウィザードリィの権利を有している
企業グループの一員であり、
「ウィザードリィの権利」は比較的アクセスしやすかったものと思われます。
(2018年現在はアクワイア社は『パズドラ』のガンホー傘下。
なおととモノ。シリーズ開発を行ったゼロディブはアクワイアの子会社であったが、
2015年にガンホーがゼロディブ株を売却し資本関係は解消された。
またアエリアIPM社はGMOゲームポット(現・GMOインターネット)に吸収、
ウィザードリィ6以降の権利は現在GMOインターネット社にある)
事実、ととモノ。PSP版の説明書にはスタッフ一覧が記されていて、
そこに「ライセンスアドバイザー」なる肩書のスタッフがいらっしゃるのですが、
この方が当時のアエリアIPM社の方なのです。
こういった経緯と照らし合わせると、
ととモノ。が「ウィザードリィの権利は取れている」という発言は、
ほぼ間違いのないものと考えられます。
が、この「ウィザードリィの権利」。
先述の4Gamerの記事を見る限り、この権利は
「ウィザードリィ6〜8のすべての権利」と「全世界における商標権」でして。
ここに、「ウィザードリィエクス2というタイトルの権利」は含まれていません。
この「ウィザードリィエクス2というタイトルの権利」が、
今どうなっているのか。
自分の知る限り、これについては現状「まったくの有耶無耶」です。
『ウィザードリィエクス』シリーズを制作したマイケルソフトは、
2007年頃に倒産後、その後の権利関係の動向が一切不明。
当時のマイケルソフトのゲーム開発中核スタッフが独立・設立した
エクスペリエンス社にこの権利がないのは明らかですし、
ゼロディブ社に関しても、確実なのは
「ウィザードリィエクスのプログラマーの1人が
剣と魔法と学園モノ。にも参加している」という事実だけで、
「ウィザードリィエクス2というタイトルの権利」を
保有しているかどうかについてはわかりません。
(ゼロディブの原神社長がマイケルソフトのコンテンツ事業部部長だった…
という情報がある事も筆者は確認しているのですが、この情報の真偽は不明です)
ただ、アクワイアが2010年の夏コミで発売した
ととモノシリーズのデジタル原画集の中に、以下のような画像があります。


(引用元:「アクワイア原画集Vol.1 剣と魔法と学園モノ。1+2 3も少し入ってるよ!」)
『ウィザードリィエクス』シリーズのNPCの名前が記されたラフイラストで、
1作目にしか登場しない(『ととモノ。』には対応するキャラクターがいない)はずの
「アスカ」「サーカス」まで書き下ろされています。
これを見る限り、
『剣と魔法と学園モノ。』の開発当初は、
『ウィザードリィエクス』シリーズのリメイクとして作られていたが、
"何らかの理由"で名前やイベントが差し替えられた可能性が高いのです。
その"何らかの理由"が何なのか、
そもそも権利関係がきちんとしていなかったのか、
「ウィザードリィ」というタイトルの敷居の高さを軽減したかったのか、
あるいは「エクス」という名称が権利的にまずいと考えたのか
("XTH"という単語は2007年にエクスペリエンス社が商標登録出願している。
但し登録上の読み方は「エックステイエイチ」。商標第5212391号)、
そのあたりは全くの不明ですが、
ともかく、2018年現在アクワイア・ゼロディブの2社が、
「ウィザードリィエクス2というタイトルの権利」を保有している、と
公式に明言したことはありません。
結局何が言いたいかと申しますと、
ちゃんと『ウィザードリィエクス』の権利持ってて、
『剣と魔法と学園モノ。』が正当なリメイクであるなら、
それをとっとと公式に明言してくれ!
という事だけです。
May 06, 2018
灰の中から切り替わった『剣と魔法と学園モノ。Anniversary Edition』
Switch『剣と魔法と学園モノ。Anniversary Edition』。
筆者のゴールデンウイーク休暇を丸々費やして、
最終クエスト制覇まで遊んだので、
気付いた点をいろいろと書き残していこうかと思います。
改めて説明しますと、今回の作品は
PSPで2008年に発売されたシリーズ1作目の移植。
冒険者育成学園「パルタクス学園」の生徒たちを
キャラクターメイキングしてパーティを組み、
世界各地のダンジョンを制覇していく…という3DダンジョンRPGです。
このゲームの原典である『ウィザードリィエクス2』譲りの、
「ダンジョンを少しずつ切り開いて行動範囲を広げていく」、
「アイテムを集め合成して少しずつキャラクターを強化していく」という楽しみは、
プラットフォームをSwitchに移しても健在です。
また、PSP版ではやや操作のレスポンスが重く感じられる部分もありましたが、
Switch版では戦闘のオートコマンド入力や
メッセージスキップが早く、操作感は良好。
また、Switch版の追加要素として、
一度倒したボスモンスターと再戦できる「闘技場」が追加されました。
闘技場でのパワーレベリングの光景。どこぞのマーフィーさんとかドラゴンケンタウルスさんとかを彷彿と…w #ととモノ #NintendoSwitch pic.twitter.com/v2P8igrfpl
— ずんこ。(jzunkodj4y) (@jzunkodj4y) 2018年4月30日
弱いボスモンスターをひたすら倒して経験値稼ぎができ、
さらにボスの豪華なドロップアイテムを思う存分稼げます。
鑑定手段さえあればドロップアイテムを売り払う事で莫大な資金が手に入り、
さらにこのゲームでは資金をそのまま経験値に変えられるので、
中盤の育成や、または最終的な素材アイテム集めが実に楽になりました。
また、戦うボスモンスターのレベルを99まで設定できる
(最高討伐レベルも記録される)ので、
腕試し要素としてもなかなか楽しい。
死人が出てしまったり、また全滅してしまっても、
戦闘終了時には何事もなかったかのように全快するので安心。
個人的には、「ようやく原典を超えた」システムかなと…(笑)
ランツレートまでたどり着いて試着室が使えるようになった。1から3までの種族ごとのイラストや3のNPCの立ち絵を選べる。能力補正も付く#ととモノ #NintendoSwitch pic.twitter.com/KCl7awRvEg
— ずんこ。(jzunkodj4y) (@jzunkodj4y) 2018年5月3日
また、さらにゲームを進める事で、
キャラクターの立ち絵をととモノ。2・3のキャラクターや
NPCのものに変更できる「試着室」が使用可能になります。
これはこれでキャラクターのバリエーションが増えて良い!のですが、
欲を言えばゲーム開始時からこの設定は可能であってほしかったし
(ゲーム開始時は種族・性別ごとにパターン固定で選択の余地がない)、
さらに選んだイラストによって能力値補正がかかってしまうので、
キャラクターのイメージに合ったイラストを選ぼうとしても、
それが現在のキャラクターの能力値とかみ合わない可能性があります。
Switch版ととモノ、BGMを選べるようになってるのが地味な変更点か #NintendoSwitch pic.twitter.com/VUT4Sm1nDe
— ずんこ。(jzunkodj4y) (@jzunkodj4y) 2018年4月25日
ゲーム中のBGMもカスタマイズ可能。
こちらに関しても2・3のBGMを使用することができます。
この機能については最初から使えるので、
BGMを変えてなかなか新鮮な気分で今回は遊べました。
ただ、ちょっと解せないのはこの辺りの追加要素について、
公式ページで一切触れられていない事。
2・3のイラスト・音楽が使えるという点は、
充分にセールスポイントになったのでは…?
(ゼロディブ原神社長のblogでは触れられてますが、この記事も発売後の公開)
1作目のリマスター版という事で、
今遊ぶとかなりの古臭さを感じる部分も。
10年前の(原典から言えば12年前の)ゲームという事もあり、
「ミニマップ機能がない」「オートマッピング表示も条件付き」
「アイテム管理や合成のやり方が非常に面倒」と、
最近のDRPGに慣れていると面食らう部分が多々あります。
最序盤の容赦ない敵の強さや、マップ構成の極悪さもそのまま。
「クソマップ」と名高いNo.21のマップが、
ゲーム開始直後いきなり出現する可能性があるのもそのままで、
良くも悪くもこの辺りは「忠実な移植」です。
「BGM・SEの音質が良くない」のもPSP版のままで、
今回収録されている2・3の曲については音質は良いのですが、
1のBGMをそれらと比較すると明らかに音質が劣っています。
BGM差し替えで変更を行っても、一部のイベント中は1のBGMがそのまま流れ、
またSEは変更することができないため、
そういった部分で音質の差が明らかに目立つのが難。
また、PSP版から退化していると感じたのが、
「ソフトリセットの未実装」。
セーブがいつでも出来るとはいえ、
やり直すためには一旦Switchメニューに戻り、
そこから一旦ゲーム終了して再起動…という手順を挟む必要があるため、
「リセット派」のプレイヤーにはかなり厳しい変更だと思います。
ゲーム内に説明書もないため、
学科選択に必要な性格や能力値を確認できないのも難。
そしてやっぱり今回もこのゲームの広報や、
エンディングのスタッフロールでも、
原典たる『ウィザードリィエクス2』に対する言及が一切ないのは残念です。
…とまあゲーム内容や、これまでの10年のイザコザに、
個人的に改めていろいろと思うところはあったけれど、
今回『ととモノ。AE』を改めて遊んでみて、
キャラクターを作りダンジョンを切り開きアイテムを集める…という、
『ウィザードリィエクス2』のゲームのコア部分は、
12年経った今でも「面白い!」と感じたのは事実です。
そして、今回追加された「闘技場」システムに関しても、
筆者が「面白い!」と感じたのも事実です。
再始動を遂げた『ととモノ。』シリーズが、
これからどこに向かうのかはわかりませんが、
今後も、まだまだ動向を見守っていきたい。
そう改めて筆者に感じさせた作品でありました。
April 19, 2018
『剣と魔法と学園モノ。』が突然Switchに登場してる件
いやはや、突然発表されて驚きました。
Switch『剣と魔法と学園モノ。Anniversary Edition』。
『剣と魔法と学園モノ。』略して『ととモノ。』は
1作目が2008年にPSPで発売された3DダンジョンRPG。
2007年に発売された『世界樹の迷宮』が
この手のジャンルとしてはヒット作品となる中登場した作品で、
こちらもいろいろ評判となりシリーズ化、
『2(2G)』『3』『3D/Final』『新』と、
合計5作(リメイク・アレンジ含むと7作)がリリースされました。
2012年の『新・剣と魔法と学園モノ。刻の学園』以来、
長らくシリーズが途絶えていたのですが、
今年シリーズ10周年という事で、
今回1作目がAnniversary Editionとして復刻される模様です。
発表からわずか1週間後に配信開始予定と、
随分突然なスケジュールではありますが、
一時期を牽引したDRPGである事は間違いないですし、
昔PSPで遊んだシリーズファンも、
また最近3DダンジョンRPGを遊び始めた方々も、
これを機に遊んでみるのも悪くはないのではないでしょうか。
Switch向けのDRPGとしては
『迷宮の塔 トレジャーダンジョン』に続く作品となり、
また今後も様々なDRPGが出てくる予定なので、
手軽にDRPGを遊べるハードとしてのSwitchの今後にも期待したいところ。
普通のタイトルだったらこんな紹介で終わりなんだけどな!
よりによって『ととモノ。1』かよ!?
筆者はこの作品に、あまり良い印象を抱いておりません。
それは何故か?
だって、まんま『ウィザードリィエクス2』の剽窃なんだもん!
使用されているマップやアイテムデータは名前こそ違うものの、
構造や設定されている数値は2作品で全く同じ。
ゲームの没データを集めて公開している海外サイトtcrf.netで
ウィザードリィエクス2の項目と、
剣と魔法と学園モノ。1の項目を見比べてみよう。笑うから。
もちろん全部そのまま…という訳ではなく、
イラストやストーリーなど置き換えられている部分も多い訳ですが、
それ故にゲームに齟齬をきたしてしまった部分もあります。
例えば『ウィザードリィエクス』シリーズでは
山脈や海、空は竜族にほぼ支配されているため、
人間や魔族は古代文明の遺産「ロード」
(各地の拠点を繋ぐ高次元の通路を随時自動生成する)を使って
世界を移動しなければならなかった…という設定があり、
それ故に「ダンジョンの組み合わせが変動する」などの
ゲームシステムに説得力を持たせていたのですが、
『剣と魔法と学園モノ。』ではそんな設定はなくなり、
一般的なJRPGファンタジー世界観になったにもかかわらず、
「ダンジョンのランダム構造」システムはそのままのため、
「登山道」や「地下道」と名付けられたダンジョンが、
何の説明もなく毎回構造が変わるという意味不明な事に。
ゲームの類似点については一部スタッフが共通しているためであり、
本作は盗作や剽窃には当たらない…という声もありますが
(実際、2つのゲームに共通するスタッフもいらっしゃいますが)、
それにしても、これだけの類似性がある作品を、
全く既存の作品とは関係のないような、
新作として世に出した…という行為からは、
はっきり言って嫌悪感しかありません。
せめて「2006年に発売された作品の翻案です」程度の告知でもあれば、
こんなにも嫌悪感を抱くことはなかったとは思うのですが、
当時は一切そんな告知は成されることはなく、
また今回もやっぱりそんな告知は無くて少しガッカリしました。
『ウィザードリィエクス』シリーズの開発として当時前面に出ており、
その後独立、精神的後継作となる『Generation XTH』シリーズや、
『デモンゲイズ』『剣の街の異邦人』といった作品を手掛けている
エクスペリエンス社が完全に本作を黙殺しているのも、
本作の不気味な存在感にまた拍車をかけてます。
とは言うものの、かなり独自性が強かった
『ウィザードリィエクス』シリーズの世界観やイラストを、
かわいらしく改変して新たなファン層を築いた…という、
本作の「功績」自体は間違いなくあったと思います。
これからこのゲームを遊ぶ方も、
以前にこのゲームにのめり込んだ方も、
キャラクターが割と死んでも折れない程度の根気があれば、
この作品はなかなか楽しいゲーム経験を与えてくれる、
もしくは与えてくれたことでしょう。
ただ、このゲームの核となるアイテム収集・開発といったシステム、
手ごわいマップデザインやゲームバランスの基礎は、
間違いなく『ウィザードリィエクス2』を開発された方々が仕上げたもので、
彼らがいたからこそ『ととモノ。』シリーズもあったのだと、
そういう事は覚えていて欲しいかな…と思います。
今回言いたい事はそれくらいです。
April 28, 2012
剣と魔法と学園モノ。2に海外版リリースの動き?
個人的に大きなニュースを見かけたのでつい更新。
剣と魔法と学園モノ。2の海外ローカライズの動きがあるようです。
熱心なととモノ。ファンならば、初代「剣と魔法と学園モノ。」は北米で"Class of Heroes"というタイトルでリリースされているのをご存知かと思います。
なお北米の発売元はAtlus USAであり、「世界樹の迷宮」を発売したところがととモノも、という、
ある意味、節操の無いローカライズではありました。
しかしAtlus USAによるローカライズは第1作目のみで打ち切られており、
2からFinalに至るまで一切海外ではリリースされませんでした。
(あくまで個人の憶測ですが、そりゃ2の出来を見てしまうと…ね)
しかしながら、海外に一定数存在するJRPGファンのコミュニティではClass of Heroesの続編を遊びたい、という意見が少なくないようで、
(そういった内容の海外フォーラムが検索すると意外とヒットします)
その声を拾い上げたのが、「マジカルドロップ」「デザエモンKids」などの日本のゲームの
ローカライズを数多く手がけているMonkeyPaw Games。
この会社が海外未発売のJRPGをローカライズするための投資を募っており、
その第1弾として「剣と魔法と学園モノ。2」が選ばれた…との事。
個人的には「別のゲームという選択肢はなかったのですか!?」という印象なのですが…
各所で日本ゲームの没落が囁かれる中、こういった動きがあるのは、
決して日本のゲームは終わっちゃいない、という何よりの証明ではないかと思うのです。
現状目標50万ドルに対し5万ドルの投資…と、プロジェクトの達成は難しそうな状況ですが、
この試みの行方については、期待してみたいと思います。
追記:
対象のゲームはアレですが試み自体は面白いと思うので、500$ほど賛同の意を示してみました。
今後どうなるかは、追って紹介したいと思います。
2012/04/28 追記:
やはり予想した通り、このプロジェクトは結果として目標金額の20%に満たず、
ノーマネーでフィニッシュという形になってしまいました。
あくまでこの結果は選択したゲームが悪かっただけであり、
「ビジネス的にもJRPGはもはやローカライズする価値がないと海外のゲーマーに見なされている」とは考えたくないのですが…
April 19, 2012
「熱烈な要望に応え」なのか「想定通り」なのか
『新・剣と魔法と学園モノ。 刻の学園』。
ファミ通.comの記事にスクリーンショットが多数あって分かりやすいのですが、
今回はオールドスクールな3DダンジョンRPG形式を脱却。
オーソドックスなフィールド探索系RPGになる、との事。
ととモノ3の頃から「背景美麗だけど3DダンジョンRPG特有のマス目移動と齟齬をきたしていて意味無いじゃん!」と思ってはいたので、
これはこれで正しい進化の形、とは個人的に思います。
しかしなんというか、このシリーズの出始めは明らかに外見が『世界樹の迷宮』の影響。
そして今回の見た目は『セブンスドラゴン2020』あたりを髣髴とさせて、
相変わらず二番煎じをさせたら右に出るものはいないゲームメーカーだな…と改めて感じたのでありました。
利益追求の企業の姿勢としては、まさしく正しい姿ではありますが。
シリーズ中で一応のバランス改善が見られた(序〜中盤まで)『3D』の監修を務めた、
アクワイア横山氏がプロデューサに名を連ねているので多少の期待は持てますが、さてどうなるか。
このゲームについては、今後の展開に期待したいと思います。
October 13, 2011
買うだけ買った『剣と魔法と学園モノ。Final』

購入しました。『剣と魔法と学園モノ。Final』。
とにかく、初回特典の箱がデカい!(笑)
特典の内容としてはイラストポスター、缶バッジ、差し替え用ジャケットのセット、
そして正確には全98ページのフルカラー資料集。
資料集は1から3までのあらすじにそれぞれの広告で用いられたイラスト等の詰め合わせ、
そして(あの悪名高い)原神敬幸プロデューサーへのインタビューが2ページ。
その中から、いくつか気になったトピックを抽出すると、
- ゼロディブ設立時に回りに3DダンジョンRPGを作ったスタッフが集まっていたので1作目ができた
- タイトルを考えたのは当時のアクワイアの広報
- Finalは区切りではあるが終わりではない。どんな形であれ「剣と魔法と学園」が題材の物語ならばそれが「ととモノ」
とりあえず言えることとしては、最初のトピックは明らかにそれだけが理由じゃないだろう、と(笑)
1作目のトンデモ具合については既に語りつくされた感があるので今更触れませんが、
個人的にはいい加減にこの辺の権利関係がどうなっているか知りたくはあります。
いつまでととモノ。シリーズにこのモヤっとした気持ちを持ち続ければよいのか…
2つ目のタイトルについては『教えて奈美せんせい(現在は終了)』や『ダン←ダム』のプロデューサーを手がけられ、
現在は美少女ゲームブランドOverflowの広報をされているラジカル☆うえき氏のことかと思われます。
当時は2chを模した雑誌広告を出す(この広告は雑誌主催の広告大賞を受賞しています)など、
広告の範囲に留まらないユーザーの反応を呼び起こし
(今にして思えばあの頃に原神氏を"あえて"前面に立たせていたのも戦略の一貫だったのではと思う)、
ととモノ。というブランドを広く認知させるに至った手腕は非常に大きかったのだろうと。
3つ目に関しては「まだどうなる形かわからない」との事ですが、ともかく何らかの形で続けていくことは間違いないかと思われます。
全体的なインタビューの構成としては、原神氏がジャンルorゲームに関しての思い入れを語り、
その後にこのゲームのどこが素晴らしいか、どこに力を入れたかを(微妙にポイントを外して)述べる、という、
かの『ヴァルケン』やら『ホットギミック』やらの頃のインタビューと代わっていない印象。
全くぶれていない一貫性すら感じました…が、ラストの一文。
(以下引用)
原神のことは嫌いでも、「ととモノ。」のことは嫌いにならないでください。
(引用終わり)
…認識してたのか。
個人的にはこの一文に筆者の心を見透かされたようで、やや驚き。
ゲーム自体はまだ『3D』の方が終わっていないので、こちらを遊ぶのは相当先になりそうです。
『3D』とそんなに変わっていないのならば、この手の初心者でも無難に遊べるレベルではあるとは思います。
(個人的には『3D』の中盤以降は悪い意味で『ととモノ』だな、とは感じていますが)