October 24, 2021

続々・ウィザードリィ権利関係の謎を追う

当blogでは、ウィザードリィの権利関係について度々取り上げてまいりました。

謎のウィザードリィ版権団体「FRP Assets」を追う
続・謎のウィザードリィ版権団体「FRP Assets」を追う

それ以降この問題の調査については新しい情報を得られていなかったんですが、
つい最近になって1つ、気になる記事を発見したのでご紹介。


2019年に『ウィザードリィ 囚われし魂の迷宮』のSteam版が配信延期になった際、
ウィザードリィの権利関係についてシリーズの生みの親の1人である
アンドリュー・グリーンバーグ氏にインタビューを行っている記事が
公開されているのを今更になって気づきました。
その記事によれば…


Andrew Greenberg and Robert Woodhead, the duo sued Sir-Tech in 1992.
“The lawsuit took twenty years,” Greenberg, who went on to work as an attorney, told me.
“It was one of the longest-running cases in New York state.”

The suit ended with a settlement, and Sir-Tech bought the rights to Wizardry from Greenberg and Woodhead.
“Losing control of the franchise was sad for me,” said Greenberg,
but “we were quite satisfied” with the terms of the settlement.
“It had been long after the last big [Wizardry hit],
so it was unlikely that we’d see a lot of money in the long term [if we hadn’t settled].”


(以下、筆者による日本語訳)
アンドリュー・グリーンバーグとロバート・ウッドヘッドの2人は1992年にサーテックを訴えた。
「訴訟には20年もかかったよ」と弁護士として働き続けたグリーンバーグは私に言った。
「これはニューヨーク州で最も時間のかかった裁判の1つだった。」

裁判は和解で終わり、サーテックはウィザードリィの権利を
グリーンバーグとウッドヘッドから買収した。
グリーンバーグは言った。
「フランチャイズの権限を失ったのは私にとって悲しい事だった。
 しかし和解の条件には我々は非常に満足した。
 最後の"ウィザードリィの大ヒット"から長い時が経ち、
 "もし我々が訴訟を続けていても"たくさんのお金をもたらす可能性はもうなさそうだから」


という訳で、泥沼化していたウィザードリィ関連の裁判について、
「Sir-tech社が原作者2人の持っているすべての権利を買い取る」
という条件で2012年に和解をしていた
事が上記の記事で明記されてました。

…ただ、そうなると気になる点がいくつか出てきます。

そもそもSir-tech社は後継会社となる
Sir-tech Canadaや1259190 Ontario社も含め2003年に倒産しており、
そちらが所持していたウィザードリィBCF以降の権利も、
2006年にGMOゲームポット(後、2020年にドリコム)に売却済み。

上記の裁判が終了したという2012年には、
Sir-tech社は存在しないし後期ウィザードリィの権利もないのに、
原作者2人の持っていた権利をすべてSir-tech社が手に入れていた
…という、
非常に奇妙な状態になっていることになります。

この2012年に原作者から買い取ったウィザードリィの権利も、
sir-techの経営者の杜撰な体質を考えると
現時点ではおそらく他の団体に売り払われており、
それが2017年にNHKの番組で突如登場した「FRP Assets」、
そして2021年にもSteam版『五つの試練』を配信直前で延期に追い込んだ
謎のパテントトロールなのではないか…と筆者は推測します。

ただ、このパテントトロールの正体については未だに謎だらけで、
色々と憶測は考えられるものの、やっぱりよくわからない…
というのが正直なところです。

また何か情報があれば、随時更新していきます。

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