June 18, 2021
絵柄に似合わず超シビアだけどやめられない『モン勇』体験版感想
※2021/06/30追記:
追加パッチの話題を記事末尾に追加しました。
『モンスターを倒して強い剣や鎧を手にしなさい。死んでも諦めずに強くなりなさい。勇者隊が魔王を倒すその日を信じています。』
(以下、『モン勇』)の体験版がNintendoSwitchで
2021/06/18に配信されてました。
早速筆者はダウンロードして遊んだので、
その感想を当blogに残しておきます。
今回のストーリー設定は
「妖精界に勇者隊として召喚されたメンバーでパーティを組み、
魔王に支配されたダンジョンの踏破を目指す」
というかなりシンプルなもので、
6人のメンバーを作成してダンジョンに潜って、
モンスターを倒してお宝ゲット、という
最も基本的なDRPGの流れを踏襲しています。
ボーナスポイントのリセマラもあるよ!
(ボーナス15以上を見たことがないんですが、本当に25とか30とかあるんですか?)
なお、イラストのかわいらしさとは裏腹に難易度はかなり高め。
どのくらい高めかというと、筆者は初戦でパーティメンバーが2人死にました(笑)
振り直し可能なスキルや能力値など、基本的なシステムは
エクスペリエンス製DRPGの前作『黄泉ヲ裂ク華』を踏襲していますが、
それとは比べ物にならないほど、ゲームバランスはシビアです。
また、ダンジョンに足を踏み入れた時点ではオートマッピングが機能せず、
中ボスを倒すことによってオートマッピングが解放される…という点も、
本作の難易度を引き上げている要因の一つ。
幸い、体験版の範囲ではそこまで複雑なマップではないのですが、
もしかしたら方眼紙の準備をしておくに越したことはないかもしれません(笑)
また、ダンジョン内のランダムエンカウンターが完全に廃止され、
マップ上に表示されたモンスターシンボルとの戦闘のみになったのも特色の一つ。
位置固定で配置されている敵だけではなく、ランダムに動くシンボルや、
こちらを発見すると追いかけてくる敵、逆に逃げる敵など、
『世界樹の迷宮』のFOEに近いシステムが採用されています。
特に紫色のシンボルは非常に強力で、
ダンジョンの構成を上手く利用して振り切ったり、
あるいはハイリスクハイリターンを狙って戦いを挑んだりと、
今までとのエクスペリエンスDRPGとは少し違ったダンジョン探索感があります。
前述のとおり敵はかなり強いのですが、
Lvが上がったり、新たなスキルを覚えたり、
もしくは強力な装備が手に入ることで、
今まで苦戦した敵と楽に戦えるようになる…という、
着実にパーティが強くなったことを実感できるプレイ感覚は、
今までにエクスペリエンスの千頭社長がTwitterで何度か仰られていた通り、
「初代のウィザードリィに近い」手触りを感じました。
本作には難易度設定があり、筆者はもちろん最高難易度で始めたわけですが、
この難易度では体験版全体を通してLv3キャップがかかります。
Lv3キャップに到達してからも敵のLvが15を超える強敵たちや、
フロアボスにはかなり苦戦を強いられましたが、
手動セーブからのやり直し、
スキルの振り直しや各種アイテムを駆使して、
何とかフロア制覇が出来ました。
このプレイ感覚も、「ウィザードリィ外伝」シリーズで
リセット技を何度も使って難関を突破したのを思い出して、
個人的にはすごく楽しかったです。
ただ、ちょっと気になるのがボス撃破後の評価システム。
「フロアボス撃破時のパーティ平均レベル」、
「フロアボス撃破にかかったターン数」、
そして「フロアをクリアするまでの全滅回数」を基に
勇者隊としての評価が行われる…というシステムで、
ただこの評価があるだけならただのやり込み指標で終わるんですが。
問題なのは、この評価がその後のアイテムドロップに露骨に影響してくること!
このゲームではモンスター撃破後、A~Cランクの宝箱がランダムに落ちる…
という仕組みになっていますが、
「勇者隊評価でSを取ると次のフロアまで宝箱ランクが常時底上げされる」
という仕組みになっています。
また筆者が確認した限りでは、最高のSランク宝箱は
勇者隊評価でSを取らないと絶対に出てこない仕様のようです。
制作者の方々は「勇者隊評価が高くなくても問題なくクリアや、
アイテムコンプリートは可能」とおっしゃっておりますが、
こういった縛りプレイの達成が露骨に優遇される仕様を見ると、
ゲーム制作者側から縛りプレイを強制されているような感じがあって、
いちユーザーとしては正直、印象が悪いです。
もっとタチが悪いのが、「勇者隊評価の基準がゲーム中で一切開示されない」こと。
現状、体験版のフロア評価でSランクを取る条件は
「ボス撃破時のパーティ平均レベルが3以下」、
そして「全滅回数が0」であることが判明していますが、
難易度を「ふつう」以下にしていればパーティメンバーは
普通にLv4以上に成長しますし、
ボスの前に「一度全滅覚悟で戦って敵の戦術を把握するのも手だね」
と話すNPCがいながら、
実際に全滅するとSランクが取れなくなってしまうという罠付き。
せめてダンジョンに足を最初に踏み入れた時点で
Sランクを取る条件を開示されていたならば、
将来的な目標となってモチベーションとなりうると思うのですが…
この勇者隊評価とアイテムドロップ周りの仕様は、
何とか見直していただきたいと個人的には思っています。
…とまあ、ネガティブに感じる部分もあるわけですが、
良い修正と感じた点もたくさんあって、
例えばそのうちの1つが杖の攻撃仕様の修正。
今までのエクスペリエンス作品だと杖カテゴリの武器は
「呪文威力をブーストする」以外にほとんど使い道がなかったのですが、
本作では杖を装備して通常攻撃を行うと、
「杖の属性に応じた必中の魔法攻撃を消費MP0で行う」という仕様になりました。
もちろんMPを消費して使用する魔法に威力はかないませんが、
後列のマジックユーザーが手持無沙汰になることがなくなったのは好印象。
いろいろと目につく点こそありましたが、
筆者が体験版を遊んだおよそ4時間ほどの間、
夢中になってのめり込んだDRPGであることは確かです。
個人的には1か月後の製品版が、実に楽しみでございますよ。
※2021/06/30追記:
『モン勇』公式サイトに、
製品版パッチでの改良予定について掲載されてました。
「ダンジョン評価基準の開示」「全滅回数を評価基準から削除」、
「低難易度ではマップ表示条件を緩和」など、
全体的に遊びやすくなりそうな調整で良い方向の修正かと思います。
追加パッチの話題を記事末尾に追加しました。
『モンスターを倒して強い剣や鎧を手にしなさい。死んでも諦めずに強くなりなさい。勇者隊が魔王を倒すその日を信じています。』
(以下、『モン勇』)の体験版がNintendoSwitchで
2021/06/18に配信されてました。
早速筆者はダウンロードして遊んだので、
その感想を当blogに残しておきます。
今回のストーリー設定は
「妖精界に勇者隊として召喚されたメンバーでパーティを組み、
魔王に支配されたダンジョンの踏破を目指す」
というかなりシンプルなもので、
6人のメンバーを作成してダンジョンに潜って、
モンスターを倒してお宝ゲット、という
最も基本的なDRPGの流れを踏襲しています。
ボーナスポイントのリセマラもあるよ!
なお、イラストのかわいらしさとは裏腹に難易度はかなり高め。
どのくらい高めかというと、筆者は初戦でパーティメンバーが2人死にました(笑)
振り直し可能なスキルや能力値など、基本的なシステムは
エクスペリエンス製DRPGの前作『黄泉ヲ裂ク華』を踏襲していますが、
それとは比べ物にならないほど、ゲームバランスはシビアです。
また、ダンジョンに足を踏み入れた時点ではオートマッピングが機能せず、
中ボスを倒すことによってオートマッピングが解放される…という点も、
本作の難易度を引き上げている要因の一つ。
幸い、体験版の範囲ではそこまで複雑なマップではないのですが、
もしかしたら方眼紙の準備をしておくに越したことはないかもしれません(笑)
また、ダンジョン内のランダムエンカウンターが完全に廃止され、
マップ上に表示されたモンスターシンボルとの戦闘のみになったのも特色の一つ。
位置固定で配置されている敵だけではなく、ランダムに動くシンボルや、
こちらを発見すると追いかけてくる敵、逆に逃げる敵など、
『世界樹の迷宮』のFOEに近いシステムが採用されています。
特に紫色のシンボルは非常に強力で、
ダンジョンの構成を上手く利用して振り切ったり、
あるいはハイリスクハイリターンを狙って戦いを挑んだりと、
今までとのエクスペリエンスDRPGとは少し違ったダンジョン探索感があります。
前述のとおり敵はかなり強いのですが、
Lvが上がったり、新たなスキルを覚えたり、
もしくは強力な装備が手に入ることで、
今まで苦戦した敵と楽に戦えるようになる…という、
着実にパーティが強くなったことを実感できるプレイ感覚は、
今までにエクスペリエンスの千頭社長がTwitterで何度か仰られていた通り、
「初代のウィザードリィに近い」手触りを感じました。
本作には難易度設定があり、筆者はもちろん最高難易度で始めたわけですが、
この難易度では体験版全体を通してLv3キャップがかかります。
Lv3キャップに到達してからも敵のLvが15を超える強敵たちや、
フロアボスにはかなり苦戦を強いられましたが、
手動セーブからのやり直し、
スキルの振り直しや各種アイテムを駆使して、
何とかフロア制覇が出来ました。
このプレイ感覚も、「ウィザードリィ外伝」シリーズで
リセット技を何度も使って難関を突破したのを思い出して、
個人的にはすごく楽しかったです。
ただ、ちょっと気になるのがボス撃破後の評価システム。
「フロアボス撃破時のパーティ平均レベル」、
「フロアボス撃破にかかったターン数」、
そして「フロアをクリアするまでの全滅回数」を基に
勇者隊としての評価が行われる…というシステムで、
ただこの評価があるだけならただのやり込み指標で終わるんですが。
問題なのは、この評価がその後のアイテムドロップに露骨に影響してくること!
このゲームではモンスター撃破後、A~Cランクの宝箱がランダムに落ちる…
という仕組みになっていますが、
「勇者隊評価でSを取ると次のフロアまで宝箱ランクが常時底上げされる」
という仕組みになっています。
また筆者が確認した限りでは、最高のSランク宝箱は
勇者隊評価でSを取らないと絶対に出てこない仕様のようです。
制作者の方々は「勇者隊評価が高くなくても問題なくクリアや、
アイテムコンプリートは可能」とおっしゃっておりますが、
こういった縛りプレイの達成が露骨に優遇される仕様を見ると、
ゲーム制作者側から縛りプレイを強制されているような感じがあって、
いちユーザーとしては正直、印象が悪いです。
もっとタチが悪いのが、「勇者隊評価の基準がゲーム中で一切開示されない」こと。
現状、体験版のフロア評価でSランクを取る条件は
「ボス撃破時のパーティ平均レベルが3以下」、
そして「全滅回数が0」であることが判明していますが、
難易度を「ふつう」以下にしていればパーティメンバーは
普通にLv4以上に成長しますし、
ボスの前に「一度全滅覚悟で戦って敵の戦術を把握するのも手だね」
と話すNPCがいながら、
実際に全滅するとSランクが取れなくなってしまうという罠付き。
せめてダンジョンに足を最初に踏み入れた時点で
Sランクを取る条件を開示されていたならば、
将来的な目標となってモチベーションとなりうると思うのですが…
この勇者隊評価とアイテムドロップ周りの仕様は、
何とか見直していただきたいと個人的には思っています。
…とまあ、ネガティブに感じる部分もあるわけですが、
良い修正と感じた点もたくさんあって、
例えばそのうちの1つが杖の攻撃仕様の修正。
今までのエクスペリエンス作品だと杖カテゴリの武器は
「呪文威力をブーストする」以外にほとんど使い道がなかったのですが、
本作では杖を装備して通常攻撃を行うと、
「杖の属性に応じた必中の魔法攻撃を消費MP0で行う」という仕様になりました。
もちろんMPを消費して使用する魔法に威力はかないませんが、
後列のマジックユーザーが手持無沙汰になることがなくなったのは好印象。
いろいろと目につく点こそありましたが、
筆者が体験版を遊んだおよそ4時間ほどの間、
夢中になってのめり込んだDRPGであることは確かです。
個人的には1か月後の製品版が、実に楽しみでございますよ。
※2021/06/30追記:
『モン勇』公式サイトに、
製品版パッチでの改良予定について掲載されてました。
「ダンジョン評価基準の開示」「全滅回数を評価基準から削除」、
「低難易度ではマップ表示条件を緩和」など、
全体的に遊びやすくなりそうな調整で良い方向の修正かと思います。
この記事へのコメント
1. Posted by 五つの試練が買えなくなった男 June 18, 2021 09:18
上手い人はより強く下手な人はより弱くみたいな評価とドロップのシステムがDRPGで上手くいくはずがないのに・・・
逆に下手な人のドロップを底上げするシステムでもWizで「前の階の評価が高かったからこの階で村正ドロップしなくなります。」なんてことなったらつまらなくなるし、評価とドロップが関係するシステムはどう動いても面白くはならないと感じます。
逆に下手な人のドロップを底上げするシステムでもWizで「前の階の評価が高かったからこの階で村正ドロップしなくなります。」なんてことなったらつまらなくなるし、評価とドロップが関係するシステムはどう動いても面白くはならないと感じます。
2. Posted by ずんこ。(jzunkodj4y) June 18, 2021 12:13
こちらも公式感想フォームで評価とドロップアイテムランクを切り離してほしい、
また評価基準は事前に開示してほしいという内容を強調して送りました。
どこまで反映されるかはわかりませんが、改善を期待してはいます。
また評価基準は事前に開示してほしいという内容を強調して送りました。
どこまで反映されるかはわかりませんが、改善を期待してはいます。
3. Posted by 絹ごし豆腐 June 20, 2021 11:42
いちDRPGファンですがいつもブログを楽しく見させていただいてます。
この仕様に疑問を感じる意見があるのも尤もなのですが社長とディレクターの話を聞くに恐らく何度も最初から挑戦できるような周回性のあるゲームシステムだと思うんです。
なので最初からセーブ&ロード等を駆使して最高評価を目指すプレイをするのはあまり想定されてないのかもしれませんね.
最高評価を目指し始めるのは一度通してクリアして条件がちゃんと分かってる二周目からみたいな感じじゃないでしょうか?
何方にせよ体験版時点では分からない事ばかりで全体を通して評価が変わるゲームだと思います。
この仕様に疑問を感じる意見があるのも尤もなのですが社長とディレクターの話を聞くに恐らく何度も最初から挑戦できるような周回性のあるゲームシステムだと思うんです。
なので最初からセーブ&ロード等を駆使して最高評価を目指すプレイをするのはあまり想定されてないのかもしれませんね.
最高評価を目指し始めるのは一度通してクリアして条件がちゃんと分かってる二周目からみたいな感じじゃないでしょうか?
何方にせよ体験版時点では分からない事ばかりで全体を通して評価が変わるゲームだと思います。
4. Posted by ずんこ。(jzunkodj4y) June 20, 2021 12:06
もし強くてニューゲーム的な周回要素があるのなら、
それを真っ先に明言しておくべきだと思うんですよね。
とは言え同じCRPGを複数回プレイする人なんてごく少数なので、
大多数のプレイヤーには現状の仕様は不親切と捉えられても仕方ないと思ってます。
それを真っ先に明言しておくべきだと思うんですよね。
とは言え同じCRPGを複数回プレイする人なんてごく少数なので、
大多数のプレイヤーには現状の仕様は不親切と捉えられても仕方ないと思ってます。
5. Posted by kureist June 25, 2021 18:39
twitterにて、レベルダウンと再評価への挑戦の話が出てましたね。
DRPGは新作が出辛いのでいいものになってほしいです。
DRPGは新作が出辛いのでいいものになってほしいです。
6. Posted by ななし July 01, 2021 01:35
調整きましたね
https://game.watch.impress.co.jp/docs/news/1335112.html
https://game.watch.impress.co.jp/docs/news/1335112.html
7. Posted by 名無し July 11, 2021 06:34
アイテムコンプしてる身としては
調整によって高評価取りやすくなったのはありがたいですね。
あとは全ダンジョンでS評価クリアしてもアイテムコンプに支障がないこと。
(再挑戦含む)S評価でダンジョンクリア後もそのダンジョンに何度でも周回できるかが気になるところ
調整によって高評価取りやすくなったのはありがたいですね。
あとは全ダンジョンでS評価クリアしてもアイテムコンプに支障がないこと。
(再挑戦含む)S評価でダンジョンクリア後もそのダンジョンに何度でも周回できるかが気になるところ