February 02, 2020
常識に囚われない発展途上の麻雀ゲーム。Switch版『東方幻想麻雀』
2020/1/30に配信された新作麻雀ゲーム、
Switch『東方幻想麻雀』。
麻雀ゲーム愛好家の端くれとして、
筆者の感想を書き残しておきます。
今更説明は不要だと思いますが、
『東方Project』は上海アリス幻樂団制作の同人シューティングゲーム。
このシリーズは原作者が二次創作に寛容である事もあり、
無数の二次創作ゲームが作られておりまして、
『東方幻想麻雀』シリーズもD.N.A.Softwaresによる二次創作作品になります。
元々はWindowsPC向けに4作ほど出ていましたが、
今回はその最新バージョンがSwitch向けに発売されました。
ゲーム自体は東方Projectのキャラクターを使用し、
麻雀バトルを行うもの。
Windows版第1作『東方紅魔郷』から2017年頒布の『東方天空璋』、
黄昏フロンティア制作の外伝作品、
そして書籍や音楽CDのキャラクターに至るまで、
何とキャラクター数107人という、
麻雀ゲームとしては異例のキャラクター数を誇ります。
なおプレイアブル男性キャラクターは霖之助ただ1人で、
東方2次創作ゲームのお約束通りやたら顔つきが凶悪(笑)
それぞれのキャラクターには特殊能力が設定されており、
時間とともに溜まっていくパワーゲージを消費して特殊能力発動が可能。
手牌を入れ替えたりドラを増やしたり、
他家の手牌を覗いたり…といったイカサマ麻雀ゲームにはよくある能力のほか、
「上がった時の符数を増やす」「雲山を召喚して自分の捨牌を破壊する」など、
他であまり見ないような能力を持ったキャラクターもいます。
もちろん特殊能力を完全にOFFにして、
能力に頼らない麻雀を打つことも可能。
さらに本作を特徴付けるのが、「特殊ルール卓の豊富さ」。
通常の赤3枚アリアリルールの卓だけではなく、
「中」が常にドラとして扱われる「博麗神社」、
ツモの点数が倍になる「紅魔館」、
赤一発裏ドラなし・頭ハネといった競技ルールを採用した「永遠亭」、
点数計算が青天井(満貫以上の上がりも厳密に点計算する)で、
さらに字牌に赤ドラを含む超インフレ卓「灼熱地獄」など、
本作では22種類もの特殊ルールが採用されています。
この多彩なキャラクターとルールの組み合わせが、
既存の麻雀の常識に囚われない、
全く新しいプレイ感覚の麻雀を生み出しています。
ルールを変えると戦術は変わってきますし、
そこにどのキャラクターで挑んでみるのか…を、
考えてプレイするのがとても楽しい。
いろんな絵師が描いたキャラクターを眺めたり、
ステージごとに異なる東方アレンジ曲に
思わず聴き入るのもまた楽しい。
🀄東方幻想麻雀 - 今日の試聴🔊 (1/2)
— 東方幻想麻雀@配信開始!! (@touhou_g_mj) January 26, 2020
博麗神社裏庭 のテーマ
🎶 『少女綺想曲(少女はファミコン実機グルーヴにステレオの夢を見るかmix)』 by hally(VORC)
原曲:少女綺想曲 〜 Dream Battle(東方永夜抄)
あらかじめDL↓https://t.co/U2rApXTAY4#thgsmj pic.twitter.com/KNvYG60ZvG
ゲーム史研究家でありチップチューンの先駆者である、
hally先生の少女綺想曲FC音源アレンジが個人的にツボ。
ただ、麻雀ゲーム愛好家の筆者としては、
ちょっと不満点を感じる部分もあります。
その筆頭は、「キャラクターやステージのランダム選択がない」こと。
ゲームを始める度に100人以上のキャラクターから4人と、
22種のルールから1つを毎回決定する必要があります。
1回だけ遊ぶならまだしも、繰り返し遊ぶとなるとこれがとにかく不便。
「気軽にクイックマッチ的に遊ぶ」というのが出来ないのは、
ローカルで遊ぶ麻雀ゲームとしてはダメダメだと筆者は思います。
対戦キャラクター選択画面で、
それぞれのキャラクターの特殊能力を確認できないのも微妙。
100人以上のキャラクターの能力なんて覚えられるわけないし、
普通に表示してくださいよ!
また、本作には「麻雀の基本的なルール説明が一切ありません」。
役の解説だけはオプション画面にありますが、
基本的に麻雀のルールを理解している人向けのゲームになります。
「東方は知ってるけれど、麻雀はわからない…」という人が本作を遊ぶには、
別途1冊麻雀入門書が必須だと思います。
近年の入門書だと『たまーじゃん 夜桜たまがマンガで教える麻雀入門』が
非常にわかりやすいので、これを読みながら遊ぶのが入門者にはおススメかと。
東方と言えばストーリーやキャラクターの魅力が語られる事も多いのですが、
本作には明確なストーリーや、キャラクターの掛け合いはまったくありません。
東方キャラクターで麻雀をひたすら遊ぶことに特化したゲームなのです。
100人以上のキャラクターがいて、
そこに掛け合いを付けるのがさすがに難しいのはわかりますが、
各卓を攻略していくストーリーモードや、
勝利メッセージくらいはあっても良かったのでは…と筆者は感じました。
また本作にはオンライン対戦機能がありますが
(筆者はSwitch Online未加入のため未プレイ)、
こちらも多数のバグが発見されているようです。
幸い、今後も継続的なアップデートを予定しているとの事で、
当面はバグ修正のみを予定しているようですが、
キャラクターのランダム選択機能等の実装も期待したいところ。
何はともあれ、107人という登場キャラクター数(とイカサマ能力)、
そして22種もの特殊ルールを備えているというのは、
麻雀ゲームとして唯一無二の存在である事は間違いないです。
一風変わった麻雀ゲームを遊んでみたい…という方には、
本作を触れてみる価値は充分にあるかと思います。
パチュリーかわいいよパチュリー!
(これが言いたいだけのために今回の記事を書きました)