July 16, 2019

円卓の生徒たちの戦い、再び。『蒼き翼のシュバリエ』

既にハードの生産・出荷は終了しているPSVitaですが、
サードパーティからのソフトは未だに出続けています。


そんな中、2019年7月現在PSVita最後の専売ソフトとなっているのが、
エクスペリエンス『蒼き翼のシュバリエ』

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パッケージ版の発売は2019/7/25ですが、
ダウンロード版が7/11から配信されているので、
筆者は早速購入し(パッケージ版も予約してるのに…)
3連休のほとんどを久しぶりのPSVitaに費やして、
エンディング(とクリア後要素多少)まで遊びました。
ここまで遊んで筆者が気づいた点について、
いくつか書き残しておこうかと思います。
(しかしこのタイトル画面、タイトルが読めない…(笑))


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本作はエクスペリエンスが2010年に発売した、
3DダンジョンRPG『円卓の生徒』のリメイク作品。
かつて「魅了」の力を操る魔王に戦いを挑み、
そして敗れた勇者が100年の時を超えて転生、
新たなる円卓の騎士となる「生徒」を集め、
「魅了」をも打ち破る絆を築き上げて再び魔王に挑む…という、
ファンタジー系DRPGになっております。


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リメイクにあたっての最大の変更点が「キャラクターカスタマイズ」。
原作『円卓の生徒』では登場キャラクターのメイン職業が固定されており、
変更する事が出来なかったのですが、
本作ではほぼすべてのキャラクターのメイン・サブクラスを、
元々のキャラクター設定に関わらず自由に組み替える事が出来ます。

(主人公とクリア後加入キャラクター専用クラス「ヴァリアント」を除く。
また、主人公のみメイン職業変更は不可。
勇者をやめるなどとんでもない!という事か…w)
また、基礎能力値を決める「種族」に関しても、
本作では「(種族名)の魂」を変更する事でカスタマイズ可能。
これによりリメイク元ではクラス・ファイターにも関わらず、
ファイターに向いていない種族だったために
ベンチ入りする事が多かったサウル君も脳筋ファイターになれます。
クラス変更や種族・能力値の振り直しは拠点でいつでもできる
(しかもお金やアイテムなどのリソースは要らない)ので、
いろんな組み合わせを試すのが実に楽しい。
各種振り直しが可能になったとはいえ、
キャラクターごとに「命中率アップ」「HPアップ」「好感度増加率アップ」など、
固有の全体パッシブスキルが追加されており、
キャラクターが没個性にはなっていないのも良し。


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筆者は原作ではエルフの魔法使いのエルサと姫騎士のルーミを
2人ともメイン:ファイター、サブ:サムライに設定し、
ふたりはシュバリエ(物理)的な脳内設定で遊んでました。

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選択できるキャラクタークラスが自由になったこともあってか、
選べるキャラクターのポートレートも前衛・後衛の2種となっていて、
原作からは想像もできなかったフルアーマーミンツみたいな絵も選べて、
これはこれでまた楽しい。
各キャラクターの外見はリメイクという事もあり一新されていますが、
原作『円卓の生徒』のポートレートも選択可能です。
もちろん選んだポートレートはストーリー中にもしっかり反映されます。


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元々アイテムハントやクリア後の強敵など、
ハック&スラッシュ的なやり込み要素は多かった作品なのですが、
本作ではそれに加えて「円卓の試練場」という、
新たなやり込み要素が追加されてます。
Entering Proving grounds of the Mad Phoenix...
これは「参加人数制限」「スキル使用禁止」など、
様々な縛りを課した上で連戦を勝ち抜いていくというもので、
クリアすると経験値増加アイテムなどの豪華報酬が貰えます。
登場するモンスターも後続作『剣の街の異邦人』からのゲスト出演で、
見た目的にもなかなか斬新で楽しい。

同社開発の『デモンゲイズ』で搭載された
マップ画面から特定座標へのオート移動や、
『剣の街の異邦人』で搭載された超高速戦闘といった、
後続作品の便利要素もしっかり実装。
原作に比べるとダンジョン探索も快適になりました。


…ただ筆者としては、遊んでいるうちに
「リメ…イク…?」と感じる点が多かった
のは事実でして。


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本作ではキャラクターのグラフィックや、
カスタマイズの要素は原作から一新されているものの、
全体的なストーリーや、ダンジョンマップに大幅な変更はありません。
エクスペリエンスのPSVitaでの過去作リメイクと言えば、
『東京新世録オペレーションバベル』もありますが、
こちらはストーリー面で劇的なリメイクを果たしていただけに、
それなりのサプライズを期待した身としてはちょい残念。


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本作の難易度(NORMAL)はリメイク元の高難易度モードである
「MASTER」が基準となっており、
そのため特にゲーム序盤は敵のHPと防御力が全般的に高くなっています。
特にゲーム開始直後はザコ戦に数十ターンかかる事もザラ。

『円卓の生徒』ではある程度一般モードで資金を稼いでから、
MASTERモードに引き継いだ資金で店売りの強力な武具を揃えて挑む…
というのがセオリーだったのですが、
本作ではそんな引き継ぎ仕様は存在しないため、
序盤の難易度と面倒さが結構つらいことになっております。

中盤に入る頃から強力な武器やスキルが扱えるようになるため、
テンポよく遊べるようになってくるし、
ゲーム難易度をEASYに落とせば、
序盤の難易度も多少は改善されるのではありますけれども。

個人的には現状のEASYモードがデフォルト選択で、
難易度の名称をEASY→NORMAL、NORMAL→HARD
(または「ふつう」、「まるこげ」)とすると
ちょうどよかったのではないかと。

また、これはリメイク元から抱えている問題なのですが、
本作は敵の防御力が全般的に高いため、
それを貫ける一撃の重さがある武器でないと
敵にロクにダメージを与えられません。
このおかげで、短剣カテゴリなどの片手持ちの複数回数攻撃武器の大半は、
敵にほとんどダメージを与えられない死に武器となってしまっています。
後続作の『デモンゲイズ』等ではこの辺りは改善されてますし、
せっかくのリメイクなのだからこの点は改善してほしかった。


マップの特定の場所にエサを仕掛けてモンスターを呼び寄せ、
集まったモンスターを倒して宝箱を得るという、
トラップエンカウンターシステムも続投。
ただ、こちらも「ダンジョンごとに合わせたエサを用意するのが面倒」、
「そもそもエサを合成するのが面倒」という
リメイク元で色々と面倒に感じる点は改善されていません。
一応エサの条件が全般的に緩和されていたり、
全てのトラップポイントで使えるエサが追加されたりはしてますが、
後者はそもそもレアアイテムで数はそんなに入手できないため、
根本的な解決にはなっていません。

『円卓の生徒』の移植としては、2012年に角川ゲームスから発売された
PSP『円卓の生徒 The Eternal Legend』があるのですが、
本作ではその際に追加された様々な追加要素…
「キャラクターボイス」「神村正」などが一切反映されていません。


「角川に権利がある部分は使い辛い」という旨の発言を
メーカーの配信放送で本作のプロデューサーがしており、
その関係でPSP版の追加要素が削られているものと思われます。

3DダンジョンRPGにはキャラクターボイスが必須ではないのは百も承知ですが、
やはり個性のあるキャラクターが主体である以上、
キャラクターボイスは搭載してほしかった。

個人的に一番残念なのは、エンディング曲「翼はいつまでも」の
ボーカル版がなくなってる事ですよ!
作曲は神保直明氏、作詞はディレクターの安宅氏、
そしてPSP版でロロン役を演じた秋奈さんのボーカルが
ベストマッチしていた曲だけに、今回のリメイクで再録されなかったのは残念。


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画面構成もかなり難あり。
上に貼ったスクリーンショットは序盤の戦闘画面ですが、
画面情報に一斉に並んだアイコンの説明が一切ありません。
このアイコン、中盤以降に各種連携スキルでバリアを貼ったり、
また一部の防御魔法を使ったりする事で、
その効果が効いているかどうかを示すアイコンなのですが、
そんな要素が出てこない序盤でこのアイコンを表示する必要があるのか?
というのが筆者としては疑問です。
普通に各種スキルを使ったときだけアイコン表示するで良いでしょうに。

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アイテム性能表記欄もわかり辛くなってます。
おそらく海外でも販売する事を想定して、
極力文字を使わないアイコンにしているとは思うのですが、
アイコンが何を示しているのか一見わかり辛い上、
それぞれのアイコンが有効かどうかを示すのが、
「〇」「×」「‐」の文字だけでぱっと見でわかりにくいのです。
せめて文字と同時にアイコンの色を変えるとか、
そういった配慮はあってほしかった。

本作の2つ目のダンジョン「モルロック」に限り、
どういう訳かダンジョン探索中に頻繁に処理落ちが発生します。
DRPGの操作性の良さには常に定評のあるエクスペリエンス製だけに、
この処理落ちの酷さを残したまま配信されたのは残念。




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ここまで長々と筆者が微妙に感じた部分を挙げてきましたが、
『円卓の生徒』自体のゲームの魅力として損なわれた部分はそんなに無く、
キャラクターカスタマイズなど、遊び自体の幅は広がっているのは間違いないです。

本作を2019年に発売された新作DRPGとして、
または「新要素を携えたリメイク作品」として見ると、
色々ちょっと厳しい部分が目立ってしまいますが、
PC版・Xbox版からバージョンアップを遂げた、
「円卓の生徒 Ver1.5」として見ると悪くないDRPGです。

ストーリー面での事実上の続編となる、
『新釈・剣の街の異邦人』も同梱してますので、
今までエクスペリエンス作品を遊んだことがない、
あるいは『デモンゲイズ』は遊んだけれど、
円卓も剣街も遊んでいない…という方には、
本作は充分に遊ぶ価値がある作品だと思います。







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本作のナビゲーターであるマァリンを指しての評。

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そのマァリンさんの一枚絵。

ぺったんことはいったい…?

(テキストが原作そのままで、一枚絵だけ変えてる故の悲劇とか言うな)


2019/12/29追記:
複数回攻撃武器や処理落ち、
一部のテキストの齟齬や誤植などの問題については、
アップデートパッチで修正済みです。

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