June 10, 2018

今だからこそ、PSVitaのDRPGを振り返ってみよう(2) ゼロディブ編

PSVitaで発売された3DダンジョンRPGを振り返ってみよう企画。
第2回となる今回は、密かにPSVitaの3DダンジョンRPGを支えた存在である
株式会社ゼロディブにスポットを当ててみます。

第1回・エクスペリエンス編はこちら。


・マインドゼロ
(発売:アクワイア 2013)

PSPの『剣と魔法と学園モノ。』シリーズがいろんな意味で話題となった
アクワイアとゼロディブのタッグが、
満を持してPSVitaに送り出したのがこの作品です。

異次元の存在である「マインド」を操る事の出来る「マインド使い」となり、
東京周辺に存在するダンジョン「狂精神界」を探索していく…という設定なのですが、
この世界設定のあまりの既視感に
「今度はペ〇ソナのパクリですか」という声が絶えなかった本作。
(ちなみにイラストレーターは『デモンゲイズ』の絵師を起用しており、
筆者はこちらでも「エクスペリエンスの後追いか…」という印象を持った)


とは言え、ペル〇ナとはしっかり差別化を図ろうとしていまして、
それが最も現れているのが戦闘システム。
戦闘中にマインドを召喚することで強力なスキルの使用や、
ダメージの肩代わりを行わせることができますが、
マインドの耐久力が0になると一定ターン行動不能になってしまいます。
またマインドの攻撃に耐性を持つような敵もいるため、
生身で戦うかマインドを召喚するか…という切り替えのタイミングが重要な、
独自の戦略性を持った戦闘システムに仕上がっています。
(これはこれでア〇タール〇ューナーの模倣では…というツッコミは禁止だ)

ゲームを起動すると(OPムービーで)「ご愁傷様ぁー!」と煽られたり
バトルが何故かSDキャラクターでシリアスな世界観とズレていたり、
ゲーム内の登場人物(エンディングで○○される刑事)の名前が、
ゼロディブの部長さんをそのまま使ってるあたりに内輪ネタを感じたり、
エンディングが凄まじい投げっぱなしだったり、
そんな状態なのにクリア後ダンジョンは無駄にボリューム満点だったり…と、
とにかくネタには欠かない本作ではありますが、
そのあたりを割り切ってダンジョン探索と特徴的な戦闘を楽しむ分には、
さほど悪いゲームではなかったりします。

2015年にゼロディブはアクワイアの子会社から外れたため、
いろんな伏線を投げっぱなしで終わってしまった
本作の世界観の全貌が語られるのは絶望的なのがやや残念。
(電撃オンラインにかなり突っ込んだインタビューがありますが、
この記事の末尾の相関図も結局未だに正式公開されてない…)


なお、本作にはSteam版も存在しますが、ストアページを開くと
ゼロディブ原神社長のインタビューから始まるという誰得な光景
一度見る価値があるかと思います。
ただ、こちらは日本語が抜かれたいわゆる「おま語」バージョンなのが難です。


・ウィザードリィ 囚われし魂の迷宮
(発売:アクワイア 2015)

元々はPS3で2009年にダウンロード販売が開始された、
「ウィザードリィルネサンス」シリーズの1作。
冒険者6人でパーティを組み、危険な迷宮を探索する…という、
古典的DRPG「そのもの」なゲームです。

呪文名称は普通に英語であるなど、
昔のウィザードリィとは仕様は全く異なりますが、
「一部の魔法や地図アイテムで何度でもマップが確認できる」、
「キャラクターやアイテムが強力で全体的な難易度はかなり抑えめ」であり、
古典タイプのウィザードリィとしてはかなり遊びやすい作品になってます。

また、本作のダンジョンの1つ「試練の迷宮」は
ウィザードリィ第1作「狂王の試練場」を模した構造になっており、
かつてここに挑んだことのある冒険者なら、
懐かしくも新しい気持ちで楽しめるのではないかと思います。

ストーリーらしいストーリーがほとんどないこともあって、
かなりの「味気ない」ゲームである印象は否めないのではありますが、
そういった部分も古典的DRPG「らしい」という事で…(笑)
配信価格もかなり安いですし、余計な味がしないシンプルなDRPGとしては
充分に楽しめる一作だと思います。



・ウィザードリィ 囚われし亡霊の街
(発売:アクワイア 2016)

元はやはりPS3で2011年にダウンロード販売が開始された、
アクワイア発「ウィザードリィルネサンス」の2作目。
今作は1つの拠点を中心にダンジョンに潜っていくのではなく、
野外ダンジョンを通じて複数の拠点を経由し、
様々なイベントをこなしていく…という、
本家のBCF、あるいは
『ウィザードリィアスタリスク』に近いスタイルになりました。

新職業や新アイテムもいろいろと追加。
中でも本作で追加されたアイテムはかなり強烈で、
敵に4桁ダメージを軽く叩き出す武器が敵の固有ドロップや
各地の道具屋で簡単に手に入ります。
これらのアイテムを集めて、敵を薙ぎ倒すのが実に楽しい。

中盤で超強力な侍専用武器「岩融」を拾ったら、
並みいる敵を侍の範囲攻撃をちぎっては投げちぎっては投げ、
ダンジョンの奥へ奥へ突き進む。
まるでスーパーサイヤ人になったかの如くの感覚で
これはこれで凄く気持ちいい感覚で遊べるDRPGであります。

…シナリオ1の範囲であれば。

本作はシナリオ1〜3の三部作構成となっていますが、
シナリオが進む度に敵の強さが跳ね上がります。

シナリオ1の範囲であれば先述した通り超サイヤ人感覚で遊べるのですが、
ドラゴンボールで言えば人造人間編に当たるシナリオ2や、
ブウ編に当たるシナリオ3も、超サイヤ人2や3やゴッドには進化できず、
超サイヤ人1のまま進まなければならないような、
そんなゲームバランスである…とだけ申し上げておきます。

本作は2ch発の「クソゲーオブザイヤー」にノミネートされていて、
そちらの文脈からでしか語られない事が多いのですが、
先述した「シナリオ1における超サイヤ人感」は
他の『ウィザードリィ』に無い、本作独自のプレイ感覚です。

全体的に見ると確かにバランスの破綻は否めないんですが、
局所的には斬新な感覚で楽しめるゲームである…という事だけは、
ネット上に残しておこうと思った次第です。



・限界凸記 モエロクロニクル
(発売:コンパイルハート 2014)

ゼロディブが新たにコンパイルハートとタッグを組んで、
世に放ったのがこの作品。

ダンジョンに巣食うモンスター娘を倒して脱がして仲間にし、
各地に落ちているパンツを履かせて戦わせる。


「そうか、何言ってるんだお前」「モルダー、あなた疲れてるのよ」と、
思わずツッコミたくなる感満載の、
下半身のリビドーに全振りしたようなゲームです。

しかしながら、『団地妻の誘惑』や『カオスエンジェルズ』といった、
コンピュータRPGの初期の作品からお色気+DRPGの組み合わせは存在します。
そして本作はしっかりとその系譜を継ぎ、
PSVitaというハードで蘇らせた作品
であると言えます。

ただ、下ネタに特化したこともあって、
人によっては不快感を感じる表現も多く
(特に性器・性具モチーフのザコモンスターのデザイン)、
また全体的なゲームバランスやダンジョンデザインはかなり緩め。
この辺りは賛否が分かれる部分かと思います。

とは言え、このゆるめのゲームバランスや強烈な「お色気」のフックで、
新たなユーザー層を確立できたゲームであることも事実かと思います。
そういった意味では、なかなか良く出来たDRPGなのかもしれません。

本作もSteam版が存在します。
Vita版ではお色気については下着止まりでしたが、
Steam版には非公式なヌードパッチがあるので、よりエロい人はこちらを(笑)



・限界凸記 モエロクリスタル
(発売:コンパイルハート 2015)

前作『モエロクロニクル』の好評を受けて登場した続編。

今作ではモンスター娘のパンツだけでなく、
ブラジャーも着せ替えられるようになってパワーアップ!


相変わらず「モルダー、あなた疲れてるのよ」感はありますが、
そんな感じで純粋に進化した作品です。

前作に比べると極力不快感を抑えるよう配慮されていて、
そういった部分でも進化を感じられます。

こちらは現在Steam版はありませんが、
前作がツボにハマった人や、「モン娘」にピンとくる人には、
充分におススメできるゲームではあります。



・神獄塔メアリスケルター
(発売:コンパイルハート 2016)

電撃文庫・電撃プレイステーションとのコラボレーション作品。
「不思議の国のアリス」「赤ずきん」などの
童話をモチーフにしたヒロインたちと共に、
狂気と謎に満ちた「監獄塔」からの脱出を目指す…というDRPGになります。

電撃文庫がしっかりと関わっている事もあり、
迷宮探索中に突如襲い来る不気味な敵「ナイトメア」、
シナリオ各所や、戦闘にも関わる「血」をモチーフにした表現など、
しっかりと構築されたダークな世界観はかなりのもの。

返り血を浴びすぎると暴走する少女たちのリソース管理や、
職業を選んでロール分担が行える戦闘システムもなかなか面白いです。

システム面では『剣と魔法と学園モノ。』『マインドゼロ』
『モエロクロニクル』などのゼロディブ製DRPGの良点をまとめ上げ、
ブラッシュアップした集大成的なものに仕上がっており、
そこに電撃文庫のしっかりとした世界観設定が加わったことで、
3DダンジョンRPGとしての出来はかなり良くなったと個人的には思っています。

唯一の欠点は「マップが広すぎる」こと。
ゼロディブ製DRPGはマップが広いのが伝統なのですが、
本作のマップの広さもゼロディブの集大成的で、
マップの広さに対してのイベント数が少なすぎる感じが否めません。

本作の続編が7/12にPS4で発売されることが決定しており
そちらには本作のリメイク版も収録予定で、
しかもマップの広さが改善されることが公表されていますので、
今から遊ぶのであればそちらを選ぶのが正解かもしれません。



・メイQノ地下ニ死ス
(発売:コンパイルハート 2015)

こちらは『モエロクロニクル』『メアリスケルター』とは
また違うベクトルで制作されたDRPG。
ディレクターが『メタルマックス4』のディレクターで、
声優に「ミヤ王」こと宮岡寛氏を起用…と、
何かと『メタルマックス』シリーズに縁のあるスタッフが関わる作品です。

世界の異変の原因を調査するため、
4人の主人公が各地の塔を攻略する…という設定自体はありがちですが、
本作が特徴的なのは「主人公がロボットに搭乗する」ということ。
ロボットはパーツのカスタマイズによって
性能や使用する武器が変わり、
またいざという時にはロボットを降りて戦闘することもある…と、
『メタルマックス』シリーズの戦車を彷彿とさせるものに仕上がっています。
(作中でも『メタルマックス』の定番武器「緋牡丹バルカン」が登場する)

ストーリー自体は短めですが、本作には周回要素があり、
高次週になるほど難易度は上がりますが、
入手できるアイテムも強化されていきます。
ロボットのカスタマイズ要素も面白く、
世間的には目立ってはいませんが、楽しめる作品だと個人的には思います。

最近発売された『メタルマックス ゼノ』が割とシンプルなゲーム設計で、
周回要素で戦闘とアイテム集めに特化したモードが遊べる…と聞いて、
『メタルマックス ゼノ』は実質的な本作の後継作なのではないか…と
勝手に思ってみたり。



・塔亰Clanpool
(発売:コンパイルハート 2017)

突如東京に出現した黒界議事塔の謎を解くため、
内閣総理大臣をはじめとした4人の美少女が塔に挑む…というDRPG。
『メイQノ地下ニ死ス』のディレクターが続投しており、
事実上の後継作品となります。

今作ではロボットと生身の切り替えといった要素はありませんが、
その代わりに職業に相当する「デジスキン」と、
使い魔・ペットに相当する「ガジェッティア」の組み合わせで、
各キャラクターをカスタマイズすることができます。

また「ダンジョン内の一部の壁を壊す」、
「空中に浮いて落とし穴を避ける」などの機能を持った「アプリ」が登場。
アプリの使用には電池消費が必要で、
電池残量を考えながらダンジョンを探索するのがなかなか楽しい。

全体的なゲームバランスが極端(序盤は難しいが中盤以降は楽勝)、
「主人公が総理大臣」という設定はあまり活かされていない、
敵やガジェッティアが色替えだらけで露骨に低予算が目立つ…と、
短所はいくつか目立ちますが、それ以上に遊びやすさとテンポの良さ、
そして適度なギミックに満ちたダンジョン探索の面白さが魅力的で、
「初めてDRPGを遊ぶのにもってこいな一本」だと筆者は思います。



次回はその他メーカー(日本一ソフトウェア、スティング、etc... )の予定です。

jzunkodj4y at 23:59│Comments(0)clip!3DダンジョンRPG感想 

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