May 06, 2018

灰の中から切り替わった『剣と魔法と学園モノ。Anniversary Edition』

ダウンロード販売が開始されてました、
Switch『剣と魔法と学園モノ。Anniversary Edition』

筆者のゴールデンウイーク休暇を丸々費やして、
最終クエスト制覇まで遊んだので、
気付いた点をいろいろと書き残していこうかと思います。


改めて説明しますと、今回の作品は
PSPで2008年に発売されたシリーズ1作目の移植。
冒険者育成学園「パルタクス学園」の生徒たちを
キャラクターメイキングしてパーティを組み、
世界各地のダンジョンを制覇していく…という3DダンジョンRPGです。

このゲームの原典である『ウィザードリィエクス2』譲りの、
「ダンジョンを少しずつ切り開いて行動範囲を広げていく」、
「アイテムを集め合成して少しずつキャラクターを強化していく」という楽しみは、
プラットフォームをSwitchに移しても健在です。
また、PSP版ではやや操作のレスポンスが重く感じられる部分もありましたが、
Switch版では戦闘のオートコマンド入力や
メッセージスキップが早く、操作感は良好。

また、Switch版の追加要素として、
一度倒したボスモンスターと再戦できる「闘技場」が追加されました。


弱いボスモンスターをひたすら倒して経験値稼ぎができ、
さらにボスの豪華なドロップアイテムを思う存分稼げます。
鑑定手段さえあればドロップアイテムを売り払う事で莫大な資金が手に入り、
さらにこのゲームでは資金をそのまま経験値に変えられるので、
中盤の育成や、または最終的な素材アイテム集めが実に楽になりました。
また、戦うボスモンスターのレベルを99まで設定できる
(最高討伐レベルも記録される)ので、
腕試し要素としてもなかなか楽しい。
死人が出てしまったり、また全滅してしまっても、
戦闘終了時には何事もなかったかのように全快するので安心。
個人的には、「ようやく原典を超えた」システムかなと…(笑)




また、さらにゲームを進める事で、
キャラクターの立ち絵をととモノ。2・3のキャラクターや
NPCのものに変更できる「試着室」が使用可能になります。

これはこれでキャラクターのバリエーションが増えて良い!のですが、
欲を言えばゲーム開始時からこの設定は可能であってほしかったし
(ゲーム開始時は種族・性別ごとにパターン固定で選択の余地がない)、
さらに選んだイラストによって能力値補正がかかってしまうので、
キャラクターのイメージに合ったイラストを選ぼうとしても、
それが現在のキャラクターの能力値とかみ合わない可能性があります。
(原典だとゲーム開始時に顔グラフィックをモンタージュで自由に作成できたのに…)




ゲーム中のBGMもカスタマイズ可能。
こちらに関しても2・3のBGMを使用することができます。
この機能については最初から使えるので、
BGMを変えてなかなか新鮮な気分で今回は遊べました。


ただ、ちょっと解せないのはこの辺りの追加要素について、
公式ページで一切触れられていない事。
2・3のイラスト・音楽が使えるという点は、
充分にセールスポイントになったのでは…?
(ゼロディブ原神社長のblogでは触れられてますが、この記事も発売後の公開)



1作目のリマスター版という事で、
今遊ぶとかなりの古臭さを感じる部分も。
10年前の(原典から言えば12年前の)ゲームという事もあり、
「ミニマップ機能がない」「オートマッピング表示も条件付き」
「アイテム管理や合成のやり方が非常に面倒」と、
最近のDRPGに慣れていると面食らう部分が多々あります。

最序盤の容赦ない敵の強さや、マップ構成の極悪さもそのまま。
「クソマップ」と名高いNo.21のマップが、
ゲーム開始直後いきなり出現する可能性があるのもそのままで、
良くも悪くもこの辺りは「忠実な移植」です。

「BGM・SEの音質が良くない」のもPSP版のままで、
今回収録されている2・3の曲については音質は良いのですが、
1のBGMをそれらと比較すると明らかに音質が劣っています。
BGM差し替えで変更を行っても、一部のイベント中は1のBGMがそのまま流れ、
またSEは変更することができないため、
そういった部分で音質の差が明らかに目立つのが難。

また、PSP版から退化していると感じたのが、
「ソフトリセットの未実装」。
セーブがいつでも出来るとはいえ、
やり直すためには一旦Switchメニューに戻り、
そこから一旦ゲーム終了して再起動…という手順を挟む必要があるため、
「リセット派」のプレイヤーにはかなり厳しい変更だと思います。

ゲーム内に説明書もないため、
学科選択に必要な性格や能力値を確認できないのも難。

そしてやっぱり今回もこのゲームの広報や、
エンディングのスタッフロールでも、
原典たる『ウィザードリィエクス2』に対する言及が一切ないのは残念です。


…とまあゲーム内容や、これまでの10年のイザコザに、
個人的に改めていろいろと思うところはあったけれど、
今回『ととモノ。AE』を改めて遊んでみて、
キャラクターを作りダンジョンを切り開きアイテムを集める…という、
『ウィザードリィエクス2』のゲームのコア部分は、
12年経った今でも「面白い!」と感じた
のは事実です。
そして、今回追加された「闘技場」システムに関しても、
筆者が「面白い!」と感じた
のも事実です。


再始動を遂げた『ととモノ。』シリーズが、
これからどこに向かうのかはわかりませんが、
今後も、まだまだ動向を見守っていきたい。
そう改めて筆者に感じさせた作品でありました。

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