May 10, 2015
これは「G-XTH新劇場版:破」だ。『東京新世録 オペレーションバベル』クリア後感想
筆者の2015年のゴールデンウイークは、見事に『東京新世録 オペレーションバベル』で潰れました(笑)
という訳で、この作品について気付いた点などを。
本作は2014年7月に発売された『東京新世録 オペレーションアビス』の続編であり、
また、PCゲームとして2009年5月に発売された『Generation XTH - Code Realize』のリメイクに当たります。
前作『オペレーションアビス』は『Generation XTH』シリーズの1作目と2作目のリメイクであり、
主にイラスト面や操作性を一新しつつも、
ストーリー面では旧作2作を比較的忠実に連結したものでしたが
(『オペレーションアビス』についての筆者の感想記事はこちら)、
本作ではイラストの変更にとどまらず、
登場キャラクターの追加や設定変更、ゲームバランスの一新など、
多くの部分で新たな要素が取り入れられたリメイク作品となっています。
一番大きい変更点は、『迷宮クロスブラッド』で人気を博した「クロスブラッドシステム」の導入。
1人のキャラクターにメインとサブの2種類の職業を設定でき、
例えば戦術士+射術士で敵を物理でひたすら殲滅したり、
王騎士+暗術士で回避に非常に優れたタンク役となったり、
魔術士+聖術士で攻撃・回復・補助スペルのエキスパートとなったり…と、
非常に幅広いキャラクタービルドが可能になりました。
実はメインとサブの職業設定自体はリメイク元の『コードリアライズ』からあったのですが、
リメイク元ではサブクラスを設定すると最大HPがメインとサブの平均値となり、
さらにメイン側の職業にしか経験値が入らない(サブを鍛えるには頻繁に転職する必要がある)、
オマケに呪文の使用回数は半減してしまう…とデメリットが厳しく、
しかしながら、本作ではそういうデメリットはすべて解消されており、
また前作でネックだったレベルキャップも今回はなく、キャラクター育成を思う存分楽しむことができます。
エルミゴシックに続きオペバベでも黒川さん艦隊だー!ヒャッハー!
ストーリー面も結構変更点が多く、
例えば本作の主な敵となる「セブンハンド」は、リメイク前では全員怪獣のような大型敵でしたが、
本作では人型→異形形態をとるような敵に変更されています。
また、中盤以降のストーリーも結構な部分でより「燃える」展開になっていて、
特に本作のヒロインである「七世ヒカル」については、
リメイク前を知っていると驚くこと間違いなしの展開に。
全体的な流れこそリメイク前と同じものの、システムやグラフィックのブラッシュアップ、
そして演出の強化により、非常に良く出来たリメイクである、という印象を受けました。
以前の体験会に参加したときの記事でも書いたのですが、
まさに「GenerationXTH新劇場版:破」だ…というとエヴァファンにはよく通じるかも(笑)
ただ、いくつか「リメイクである」が故に気になった点もあります。
まずは「ゲーム進行の自由度が低い」点。
これはリメイク元からそうなのですが、本作は基本的にストーリー展開が直線的です。
故に同じクロスブラッドシステムを搭載しながら、ダンジョンの探索順や
敵の撃破についての自由度がかなり高かった『迷宮クロスブラッド』と比べると、
本作の展開にやや窮屈さを感じるかもしれません。
(こちらのほうが古いゲームで、むしろ黒ブラの方が「外伝」的な作品なので仕方ないですが)
もう1つは、「プレイが快適になりすぎた」という印象。
本作はリメイク元に比べて敵から得られる経験値が上がっており、
それに加えて高速戦闘や敵遭遇率増加、連続戦闘によるアイテムドロップ率UPなど、
プレイヤーにとって有利な変更が多数加えられているため、
ゲームに慣れればスイスイ進むような難易度となっています。
結果、全体的なプレイ時間が短くなっていて、
筆者は本作のエンドコンテンツとなるリーサルホールの制覇までおよそ40時間で到達しました。
リメイク前の同ダンジョンの制覇までシリーズ累計230時間かかったのに比べるとえらい違い
(あくまでシリーズ累計なので、2作目のCBの時点で無駄にLv99まで上げた時間も含みます(笑))。
単品のRPG作品として見れば、40時間で全制覇できるのは十分すぎるほどだとは思いますが、
リメイク元で遊んでみた身からすると、ちょっと寂しいものが。
とは言え、これは「ゲーム的に薄まった」という意味ではなく、
むしろ「単位時間当たりのゲームの密度が高まった」と考えればよろしいかと。
あと、現時点で最悪進行不可に陥るバグの存在が公式ページで公開されているため、
本作をこれから遊ぼう、という方は目を通しておかないと危ないです。
何はともあれ、単品の3DダンジョンRPGとして、
そしてリメイクとして高いレベルでまとまった作品であることは間違いないです。
XTHシリーズの世界観の中核を為すタイトルでもあるので、
エクスペリエンス作品に興味を持っている方にはおすすめの一本。