August 16, 2014

エクスペリエンスの原点を味わえる『東京新世録 オペレーションアビス』

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発売日から地味にプレイしておりました。
東京新世録 オペレーションアビス』。
PCゲーム『Generation XTH』の2作目までのリメイクとなる本作ですが、
お盆休みについにシナリオクリアまで到達したので、
その感想を簡単ながら残しておこうかと思います。

○:システムの最新化によるプレイ感覚の快適化
リメイク前も当時の基準としては3DダンジョンRPGの中でも最も快適な分類であった本作ですが、
本作では『迷宮クロスブラッド』で導入されたアイテムの強化仕様
(アイテムレベルまで強化可能、但しドロップ品に関してはこの制限のない限界突破品が拾える)が導入され、
武具の強化やドロップ品の一喜一憂といった、ハックアンドスラッシュとしての楽しさが強化されました。
(旧シリーズではアイテムの強化はすべてのアイテムで+9止まりであった)

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また、『デモンゲイズ』で導入された一度踏破した地点への自動移動や、
PlayStationNetworkに繋ぐことでプレイヤー間でダンジョンにメモを残す要素も本作に実装されており、
ゲームプレイ感覚はリメイク元と比べ著しく遊びやすくなっています。
特にメモについてはアイテムだけでなくスペルでも残すことができるようになったため、
アイテム欄を圧迫せず、かついちいち買い足す必要がなくなったことで、
より気軽にメモを残せるようになったことは嬉しいポイント。


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…相変わらず、こんな変態紳士メモがたくさん残ってるんだけどな!(笑)

決められたフレーズのみしか使えないはずなんですが、
なかなか想像の斜め上を行くようなメモも残ってたりして、
日本語の奥深さというものを改めて感じることができる要素ではないかと(笑)

(欲を言えば自動移動や戦闘の速度を『剣の街の異邦人』並にしてほしかったですが、
もともとこちらが先発の作品になるはずだったので仕方ない…かな?)


○:良くまとまったリメイク
グラフィックに関しては一新されましたが、
ストーリーの大筋に関しては、リメイク前からさほど変わっておりません。
(○○学会→東条平和財団に変更…といった、一部危険な用語が無難な表現に差し替わった程度)
リメイク元の時点で「現代を舞台とし、秘密部隊の一員となって様々な陰謀と戦う」という設定のもと、
シナリオ面では(多少過激な表現がありつつも)良くまとまった作品だと思っておりましたので、
その設定や骨太なゲーム性をあまり崩すことなく、
イラスト面で新たな魅力を盛り込んだこの作品は、リメイクとしてよくできていると思っております。


△:2作を一本化したことによる一部ゲームバランスの変化
本作はGenerationXTHシリーズの1作目『Code Hazard』と、
2作目となる『Code Breaker』を1本にまとめたリメイクとなっています。
1作目はLv15までとなる中レベル帯までのシナリオ(原作ではLv13で全スペルが習得できるようになっている)、
2作目はLv40までの高レベルシナリオ(クエスト全制覇でLv99まで解放)となっており、
本作もそれに準拠してゲーム前半はLv15キャップ、後半はLv40キャップとなっています。
一見これは全く問題がないように見えますが、ここにややゲームバランス的な問題があって、
(プレイスタイルにもよりますが)本作はLv15キャップにかなり早い段階で引っかかります。
(だいたい前半ラスボス撃破直前までには引っかかる)
さらにレベルキャップ解放が前半ラスボス撃破の時点でなく、
リメイク元のクリア後クエスト全制覇後、「二学期に進む」を選択した時点のため
(補足:リメイク元(Code Hazard)にあった○○学会との決戦クエストは何故か収録されていない)
かなり長い期間をLv15キャップでこなすことになります。
『迷宮クロスブラッド』と同様、レベルキャップのメンバーがいると、
他のレベルキャップに到達していないメンバーに経験値が入る、という仕様はあるのですが、
本作にはサブクラスが存在しない上
(世界設定上、サブクラスが追加されるのは次作の『Code Realize』)、
Lv15キャップ時点での転職に全くメリットがないため
(リメイク元ではWizardryやDQ3のように転職後スペルが引き継げたが、本作では引き継げない)、
この期間は経験値をドブに捨てながら戦うことになります。
個人的に、この辺は遊んでいて今ひとつ楽しいと感じませんでした。
また、ゲーム後半(Code Breakerに当たる部分)の難易度がかなり落ちているように思えましたが、
元の難易度自体が異常に高かったので、これはこれで無難な変更かと思います。


(個人的に)△:ゴブ子リストラ

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 な ぜ 変 え た し

「魚眼で緑色の肌をした一昔前のギャル系女子高生」という、
一度見たら忘れられない秀逸なデザインであるG-XTHのホブゴブリン。
(なんとフィギュア化もされている!)
まあ確かに不気味なので、今回のリメイクで差し替えられたのもわからなくはない…ですが。
個人的にG-XTHシリーズの世界観を象徴するようなモンスターであったと思うので、
できればリストラしてほしくなかったな…と。

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強化型のプリンセスゴブリンはそのままかな…と思ったら、
なんか仮面ライダーに出てきそうな怪人になってました。



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以上にいろいろ気になった点を列挙しましたが、総評としては、
「印象的なストーリーと濃厚なキャラクターメイキングを盛り込んだ、
 Team Muramasa作品の3DダンジョンRPGのスタンダード」として、
『デモンゲイズ』や『世界樹の迷宮』でこのジャンルに触れたけれど、G-XTHシリーズに触れたことのない人も、
『迷宮クロスブラッド』だけ遊んだけどアレのクリア後はどういうことなの?と感じた人にも、
この作品は、充分にお勧めできる作品に仕上がっていると思っています。
『迷宮クロスブラッド』や『剣の街の異邦人』といった同制作チームのゲームと比較すると、
かなりシンプルな内容とはなっていますが、その分遊びやすいので、
『デモンゲイズ』の次に遊ぶには最適な作品かと。

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